“科学×食”のシェフが仕掛ける個性派2つ星:DINNER by heston blumenthal@knights bridge

世界中から観光客の集まるロンドンの老舗デパート、ハロッズ。そこから歩いて3分ほどのところにマンダリンオリエンタルがあるのですが、そのメインダイニングとして鎮座するのが、こちらのミシュラン2つ星レストラン「
Dinner by heston blumenthal ディナー バイ へストン ブレメンタール」です。

へストンといえば、世界一に選ばれたこともある3つ星レストラン「Fat Duck」のシェフ。分子ガストロノミーで話題になった人ですね。常識や歴史を疑い、もう一度全く新しい方法で調理と向き合おうという、既存の枠にとらわれない「攻めてる」シェフの一人です。

こちらは彼の名前を冠したレストランなので、どれだけ奇抜なものが供されるんだろうとちょっとドキドキしていたのですが、いい意味で期待はずれでした。意外とふつう。

このレストランのコンセプトは温故知新。過去のイギリス料理を遡って得たインスピレーションを、現代の調理法を使ってお皿の上に蘇らせるというものらしいです。化石発掘とかミイラの蘇生みたいなイメージが湧きますが、とにかく予約をとってお邪魔しました。

ディナーの予約はかなり取りづらく、ランチになってしまいました。それでも2週間前に電話を入れてやっと。事前に確認の連絡を2度もいただきました。未だ人気店なのですね。

ランチメニュー。クリスマスが近かったこともあり、季節感のあるラインナップでした。でもこんな有名レストランの3コースで£40はかなり良心的!嬉しい驚きでした。
各々のメニューの右に添えてある数字は、そのメニューの生まれた年なんだそう。古いものだと1930年代。面白いです。
メニューは古いですがバゲットとバターは新鮮です。安心していただきます。

私はせっかくなので普段あまり機会のないカタツムリを。無難な濃いめの味付け。酸味が爽やかで、軽いサラダのようにいただきました。
友人のサーモン。これも普通に美味しいしっとりサーモンです。
Polloack。タラの一種です。ギュッと凝縮されたお魚の身と、さっぱりしたスープのバランスがよかった。ムール貝の身がプリプリなのも嬉しいです。


ウズラのロースト。こちらもシンプルなお料理でした。素材の味を生かすような調理法と、変化を楽しむためのこっくりした甘いソース。こういう甘口×お肉のお皿は美味しいけれど、こちらの体調や好みを選びますね。
ミリオネアタルト。濃厚なチョコレートがスタンダードに美味しい。下にはサクサクの生地が敷かれています。
カスタードタルト。一見シンプルですが、クリスマスが近いこともあり、ミンスタルトのようにスパイスがふんだんに使われていました。伝統菓子を洗練したような。表面のカラメリゼも食感がアクセントになっていいです。
窓の外にはハイドパークが広がります。この日は生憎曇り空でしたが、大きな窓から見える樹々とレストランの内装の組み合わせはとてもロマンチック。星付きレストランとは思えないほどリラックスして過ごせました。
コーヒーを頼んだらチョコレートのデセールが。ミリオネアタルトとかぶりすぎなのが気になりましたが、美味しかったからよし。
帰り際レストランを振り返って。
ホテルのなかという場所柄もあるのか、人の流れが多くて活気がありました。もちろんゆっくりしっとり落ち着いて食事したい人には少しオープンすぎるかもしれませんが。ランチにはちょうどいい。
エントランスにはツリーが飾ってありました。

総合して、お料理のレベルは高いです。ただそれほど奇抜ではなかったので拍子抜けしてしまいました。シェフのインパクトよりも窓から眺める景色やお店の雰囲気が印象にのこっています。

私はこのお店を、ずいぶん長いこと会っていなかった友人との再会に利用したのですが、まさにそんなシチュエーションにぴったりだと思いました。密室感もなくある程度オープンで、話題性があるけど凝りすぎていなくて、肩肘張らずに食事ができます。
次回は早めに予約をとって、ディナーで訪れてみたいレストランです。

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ココロ✖️グルメ 心理士の食べ歩き日記

美味しい、だけじゃ満足できない。わがまま食いしん坊のアラサー臨床心理士が、世界中の美味しいものを求めて食べ歩くブログ。東京・ロンドン中心です。