大人になったら「行きつけのお鮨やさん」が欲しいものだなあ、と常々思っていたのですが、これがなかなか難しい。そもそも試したい店リストが未だに増え続けていて常に未消化な状態なのです。
それでもやはり折に触れて再訪するお店というのはあって、現時点での私の暫定的な「行きつけのお鮨屋さん」になっています。
それが、駒込駅から徒歩3分ほどの路地にあるちいさなお店、「髙はし」です。 ここは、ちょっと癖があっていつ来ても面白いので好きです。
カウンターは8席。小さな個室もあるようですが、満席状態は見たことありません。適度に空いています。
いつお邪魔しても、つやつやに磨かれた白木のカウンター。そして毎年巨大化していく熊手 笑。
夜のにぎりのコースは3つ。雪 8000円、月12000円、花 15000円です。私はいつも雪にして、足りなければ追加で握ってもらいます。
この日は年初だったこともあり、お正月ぽいつきだしをいただきました。まずは日本酒で乾杯。
からの、ちらし。(甘いでんぶに椎茸。意外とボリュームあり)
個人的には、「ここでちらし?」なのですが、髙はしさんに来ると毎回こういう「え?」があって面白いのです。
大将はとてもシリアスなかたで、いつでも大真面目なので私たちは驚きを表に出さず、粛々とちらしをいただきます。お味はもちろん美味しい。本物のちらし寿司です。
金目鯛。対象がひとつひとつハケでお醤油を塗ってから、お盆に置いてくれます。
(早く口に運ばないとじっとり見られます 笑)
シャリは比較的小ぶり。ネタはどれもその素材の味を最大限味わえるようきちんと準備されています。
ものによっては切り目が入れてありますが、口に入れるとその意図が理解できます。シャリとバランスよくほどけるよう計算されている様子。
イカはお塩で。これも口のなかのほどけ方が丁度いい。
大トロにもこんなに細かく切り込みが。でもこれがまたおいしい。食感てこんなにも味わいの印象を変えてしまうんだ、と新しい驚きがあります。
巻物をいただいて、コースはここで終了。
友人は追加で少しつまみをとり、お酒も追加。
そのあとさっぱりとしたデザートが出て来ました。フルーツにゆるっとやわらかなゼリー。このくらいのデザートはいつでも嬉しいものです。
そう、このお店、日本酒を頼むと江戸切子のグラスを選ばせてくれます。きれいに並んだキラキラのグラスから、その日の気分でひとつを手に取るのもまた楽しみの1つ。
季節によって毎回違うものを美味しく食べさせてくれるシリアスな大将。にぎりの写真を撮っていると、「写真はいいからはやく食えよ」的な視線を感じますが、それもこれもお鮨への並々ならぬこだわりゆえ。
お客側に立って居心地よく食べさせてくれるお寿司やが増えるなか、ちょっと居心地悪く緊張していただくこちらのお鮨はまた別格なのです。
この微妙な緊張感と居心地の悪さと、美味しさと面白さに見事にハマってしまった私。きっとまたお邪魔してしまうと思います。ちょっと癖のある友人を連れて来て、大将の視線を気にしながら、美味しいお鮨をつまむのです。
ココロ✖️グルメ 心理士の食べ歩き日記
美味しい、だけじゃ満足できない。わがまま食いしん坊のアラサー臨床心理士が、世界中の美味しいものを求めて食べ歩くブログ。東京・ロンドン中心です。
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