世間の注目を集めるのは常に、話題性のある派手なお店なわけですが(そしてそんなお店に出かけるのが大好きなのですが)、時にはひっそりと生息する名店を訪ねてみるのもいいものです。
今回お邪魔したのは、ロンドンの高級住宅街チェルシーにあるMedlar メドラーです。ちょっとセントラルから離れているのと、ロンドン在住の日本人にはあまり知られていないのとで、なかなかお邪魔する機会がありませんでした。
でもこのお店、TripAdvisorderではロンドン17220軒のレストラン中で35位(2017/1現在)を獲得。Googleの評価も異様に高いのでずっと気になっていたんです。
こちらに訪れたのはクリスマス迫る12月半ばのこと。
照明を落とした暗めの店内は、ロウソクの光に照らされてロマンチックな雰囲気でした。店員さんたちもにこやかでゆったりしていて、お酒を口にする前からなんだかとろんとしてしまう。
メニューは3コース£35と非常に良心的。のちのちわかるのですが、このクオリティでこの価格設定は本当に良心的です。
フォカッチャのようなパン。もっちりかりかり。パンにもこだわるお店はだいたい外れません。
前菜。こちらはcalf's brain のクロケット。仔牛の脳味噌なんて食べたことがなかったので好奇心でチョイス。クリーミーでサクサク。
ダックエッグタルト。シンプルですが、周りのソースとの相性もよく、安定の一皿。
2人ともお肉。私はベニゾン(鹿)、友人は鴨を。ご覧の通り、お肉はどちらも熟成系でしっとり、ソースと肉汁を絡めながらゆっくりと頂きました。
内装。入り口からはちょっと想像つかないほど、奥行きがあって広々。半個室もありました。
友人のパッションフルーツのソルベ、と私のチョコレートタルト。どちらも奇を衒いすぎない定番の組み合わせ。ボリュームもちょうどいい感じでした。
膨れたお腹を抱えながらコーヒーを飲んでいるとプティフールまで!お腹がいっぱいと伝えると、帰りにフロントで包んだものを渡してくれました。パッケージにはお店のロゴシール。こういう細やかなサービス、とても嬉しいです。
トータルで振り返っても、お料理、価格設定、店の雰囲気、接客すべてバランスのとれたいいお店でした。
ちょっと変な言い方かも知れませんが、お料理が奇抜でなく安定して美味しい、いい意味での’想定内’なために、肩肘張らずに、リラックスして、会話を楽しみながら食事ができるお店、といった感じでしょうか。
大切な記念日に使うというよりは、日頃連れ添っている気心の知れた人たちと普段使いしたいお店です。客層もおだやかで、皆さんゆったりにこやかに食事を楽しんでおられました。
あとで知ったのですがこちらのお店、オーナーさんたちがすごかった。サヴォイグリルやシェ・ブルース、そしてレッドバリーなど有名店を手がけてきた方々でした。抜群のバランス感も納得。
こういう場所があるから、ロンドンは素敵だなーと思うお店のひとつです。
ココロ✖️グルメ 心理士の食べ歩き日記
美味しい、だけじゃ満足できない。わがまま食いしん坊のアラサー臨床心理士が、世界中の美味しいものを求めて食べ歩くブログ。東京・ロンドン中心です。
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