いろんなお店が揃っていてお買い物に便利なHigh Street Kensingtonの駅から徒歩数分のところに、気取らず入れるミシュランひとつ星レストランがあります。
お店の名前はKitchen W8。
ポストコードの一部がそのまま店名になっています。
ランチセットメニューは3コースで£25、テイスティングメニューでも£65と比較的優しい値段設定になってます。
シンプルなモノトーンベースに、軽めのモダンアートがぽつぽつと飾られている店内。圧迫感がなくてランチにぴったりでした。
時期だったので、クリスマスメニューのランチをいただくことに。
一皿目。sea bream(鯛)に、フェンネルなどのソースをシャーベット状にしたものを添えて。
この「シャーベット状のソース」というアイデア、最近どのレストランでもよくみかけるのですが、これはちゃんとお魚の身をキリリとしめるような味と温度で説得力があった。そうか、カルパッチョみたいなのと合うんだな。
メインにチョイスしたのは、これまたクリスマス感のある肉団子。game faggots とありました。ご存知のかたが多いと思いますが、game ゲームとはこの時期ロンドンのレストランでよく見かける狩猟系のお肉のこと。鹿とか兎とかキジとかです。毎回知らない単語が出て来るので、「え、ベニゾンてなんの肉?」みたいにGoogle先生に聞いたりしています。日本ではジビエという呼び名の方が浸透しているかも。
とにかくゲーム肉のお団子というわけです。内容不明。でもこれが獣独特のクセがあって、濃いめのソースとマッチしてなかなかよかった。
メインでお肉といったらローストや煮込みが多いなか、あまりお目にかかったことのない一皿でした。
デザートはミンスミートタルトを。これもクリスマスならではの食べ物です。ミンスミートといってもお肉が入っているわけではなく、レーズンやナッツやドライフルーツがぎゅっと詰まっています。シナモンの香りが特徴的。オリジナリティには欠けますが、普遍的なミンスタルトでした。カスタードクリームをたっぷり絡めて頬張るのが好き。
Kitchen w8。その時期の食材をふんだんに取り入れる、フレンチの魂を宿したモダンブリティッシュとのことですが、今回は正直フレンチの魂というよりも北欧のどこかの国の魂が混じっていたような。(チョイスのせいもあると思うのですが)
もちろんどのお皿も美味しく、十分に奥行きはあるのですが、振り返ると一貫性に欠けるというか、核となるコンセプトが見えにくいような印象でした。洗練されているわけでもなく、斬新なわけでもなく、王道なわけでもなく、テーマがあるわけでもない。
ただ、このクオリティの料理を、この値段で提供していこう、この街で愛されるレストランであろう、という意思は十分に伝わってきました。実際お客様も普段着でカジュアルにランチを楽しんでいましたし。ただみなさんリピーターというよりは、「リーズナブルな一つ星レストラン、いちどためしに行ってみよう」という感じのスタンスのようでした。地元のお客さんに愛される店になるには、もう一歩なのかも。
時期によってメニューは変わっていくのでしょうから、また違う季節に再訪してみたいです。
ココロ✖️グルメ 心理士の食べ歩き日記
美味しい、だけじゃ満足できない。わがまま食いしん坊のアラサー臨床心理士が、世界中の美味しいものを求めて食べ歩くブログ。東京・ロンドン中心です。
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