東京にお寿司屋さんは数あれど、(そしてけっこうな頻度で食べ歩きしていても)誰もが聞いたことのあるような名の通ったお店って、緊張しそうで身構えてしまって、どこか避けていました。
けれど気づけば自分もアラサー。そろそろちゃんとしたお寿司屋さんのひとつやふたつ、知っていなければ。
ということで行って来ました。久兵衛さんです。
今回はちょっとリラックスできそうな京王プラザ店へ。
おまかせコースを頼みました。確か1人1万円ちょい。
まずはなまこと子持ち昆布を渡されます。
お刺身を少し。その時期の美味しいものをちょっとずつ出してくれます。
「握りに移る前になにか刺身で食べたいものありますか?」と聞かれ、赤貝をチョイス。
サクサク、と形容するのが正しい、切れ味のいい食感に驚き。
続いて握りです。
お醤油は板さんが刷毛で塗ってから出してくれます。
イカはお塩で。
ネタはどれも安定のクオリティ。ネタそのものに目を見張るほど光るものはなくても、きちんと仕込みがされていて間違いないです。職人さんの腕を感じます。
シャリは人肌程度に暖かくて、柔らかめで、口に入れるとほわっと優しい印象。悪く言えばどこか「ぬるい」のですが、同時にほっとするような安心感があります。
板さんは、こちらの会話を注意深く聞き、かつ空気を読んでいて、不用意にカットインしたりせず、うまいことコミュニケーションしてくれます。
さすが熟練の接客、とほれぼれしてしまいます。
さっきの海老。あぶっておつまみに。すごく新鮮だったし、香ばしくて美味しい。
炙り大トロ。ちょっとおもしろくて、おろしニンニクが添えてあります。
あなご。ふわふわ。
やはりここのお寿司は一貫して「ふんわり優しい」印象です。
梅しそをはさんだ大根。個人的にヒット!シャキシャキの食感がたまりません。さっぱりします。
最後の巻物。
デザート。「なんのアイスかわかります?」とクイズ形式にされましたが、もちろんそこは食いしん坊、一発で正解です。ほうじ茶のアイスでした。これがまた、アイスというよりシャーベットのようなアッサリした口どけで、薫り高くてとっても美味しい!
持って帰りたいくらいでした。
久兵衛さん。振り返ってみると、確かにもちろん美味しいのですが、特別突出しているかというとそうでもない。この金額で負けないお寿司は都内に多数あるかと思います。
けれど総合的に見て、包容力・安定感は抜群のお店だと思います。
例えばお店のイメージ・雰囲気だったり、板さんのとる絶妙な距離感だったり、ネタやシャリの安定感には、やはり老舗の貫禄があるのです。
和菓子界で例えるなら「とらや」さんといったところでしょうか。
年配のかたや自分の高齢の親族を連れてくるなら、やっぱりこんなお店がいいなと思うのです。
ココロ✖️グルメ 心理士の食べ歩き日記
美味しい、だけじゃ満足できない。わがまま食いしん坊のアラサー臨床心理士が、世界中の美味しいものを求めて食べ歩くブログ。東京・ロンドン中心です。
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